『若女(わかおんな)』

  小生が子どものころから母親は謡曲と仕舞いを習い続け、今は
謡曲だけであるが、以前から“能面”が欲しいといっていた。
  約2年ほど前に偶然、京都河原町通りに美術書籍専門の本屋で、
“堀 安右衛門:能面を打つ 打ち方の基本と型紙、株式会社淡交
後者社、京都、2008.”を購入し、気が熟すまで見開いた。
 ついに平成21年9月より作製することにした。
 
 木取(檜)りは、仏像教室の “仏師 宮本想観先生”より三面分
けていただき、友人の紹介で、“能面制作研究会 加地幹春先生”
の指導を受けた(女面に始まって女面に終わる・・・それほど難し
いと先生曰く。

 写真は第一作目で 観世流の『若女』である。
 女面は全て“小面”と思いきや、“小面”は最も若い女の面で、豊
臣秀吉が面打ちの“龍右エ門”に打たせたと伝えられている(名品
に“雪”・“月”・“花”)。

 『若女』は江戸時代初期に観世流が他流に対して若い女面を打
たせたものをいい、金春流と喜多流は“小面”、金剛流は“孫次郎”
、宝生流は“節木増”と、それぞれ自慢の若い女面を所持し本面と
した、といわれている。

その他、中年あるいは年増の女の面には“増女”、“深井”、“曲見
(しゃくみ)”などがあり、流派と主人公(シテ)の役割によってそれ
ぞれ面を使い分けるらしい。

 母親は観世流なので『若女』を制作することに
・・・
制作工程

1.型紙づくり(厚紙)
2.木取りと彫刻(鋸、叩きのみ、彫刻刀)
3.表面ならし(60番紙やすり、ヤニ抜き)
4.地塗り(膠溶液の薄め液)
5.下塗り(膠溶液ではけ目)
6.中塗り(はけ目、120番紙やすり)
7.上塗り(朱土・金黄土微量、百たたき)
8.墨入れ(髪の毛、目張り)、紅いれ眉(たんぽ)、消しゴムでむらとり
9.古彩色(よごし:セピアとバーントアンバー、網かけ、たんぽ、)
10.仕上げ(むらとり・研ぎ出し、ポマード、との粉、タンポ、はけ目入れ)